テラモーターズの北東インドでの取組みを紹介
テラモーターズは、2022年4月20日から21日にかけて開催された西ベンガル州政府が主催する旗艦イベントであり、西ベンガル州の活発なビジネスと世界のビジネス界からの投資を呼び込む「Bengal Global business Summit 」に出展しました。サミット開催期間中のプログラム、「Japan Session 日系企業による北東インドからの取り組み」及び、「Sectoral Sessions Industry」に当社が選出され、CEO上田が登壇しました。
ここでは、「Japan Session 日系企業による北東インドからの取り組み」の動画およびスピーチ全文を紹介します。
0:00 オープニング
0:51 EVを身近なものにしたい
1:43 エコシステム構築がなぜ必要なのか
2:22 西ベンガルで展開するビジネスユニット
3:58 会社の成長を支えた西ベンガル
4:22 これからのビジネスプラン
6:19 西ベンガルのポテンシャル
7:04 官民連携が必要である理由
サミット参加にかける想いは?
このような機会をいただき、感謝いたします。
我々は2015年からインドで、2017年からは西ベンガルでビジネスをスタートしてきました。今回やっとベンガルグローバルサミットにお呼びいただき、大変嬉しく思います。
当社の市場でのプレゼンスの高まりを感じています。10億規模のビジネスに到達し、業界でブランドが認知されてきたことは、我々にとって大きな一歩です。
なぜエコシステム構築にこだわるのか?
あなたはEVを身近に感じていますか?
先日、自分の娘とインドでしている仕事について話していました。娘が、「お父さんはインドで何をしてるの?」と尋ねるので、「電気自動車を売って、エコフレンドリーな国を作っている」と答えました。
すると娘が、「その車はどこにあるの?」と尋ねるのです。多くの人がEVについて話しますが、EVは私たちの生活の一部になっているでしょうか。
私の答えは「No」です。
その時から私は、どうすればEVを身近なものにできるのかを、エンドユーザー視点で考えるようになりました。そして、「EV業界にはエコシステムが必要である」という答えに辿り着きました。
EVはパズルのピースの一つにすぎません。それだけでは良い価値の提供はできないのです。EVを購入するなら、普通車同様に経済的サポートが必要でしょう。ローンを組むとなれば、バッテリー技術も確保しなければなりません。これら全てのことは繋がっているのです。
そこで、我々はエコシステムの構築によって、EVをより身近なものにする、というミッションを掲げました。
西ベンガル州ではどのようなビジネスを展開してきたか?
現在二つのビジネスを走らせています。
一つ目は、テラモーターズによるEリキシャの販売です。2017年からおよそ50,000台のEリキシャを販売しました。Eオートと電気スクーターも開発中です。
二つ目は、テラファイナンスによる商品購入の経済的サポートです。外国企業である我々は、ローカルのノンバンク金融会社と協力し、昨年8月にジョイントベンチャーを立ち上げました。
Eリキシャ車体の登録需要も生み出しています。Eリキシャドライバーは低所得層に多く、所得向上のためにEリキシャを買いたくても、買えない状況にある人々が多く存在します。 車体登録をすることによって、我々はこの財政課題の解決にも取り組んでいます。
年間所得が30万以下の人にローンを組むのはリスキーだと思われるでしょう。
そこで我々はテクノロジーを用いました。IoTを導入し、EV車の状態の管理を遠隔で可能にしました。こうして我々はリスクをとり、金銭的に恵まれずEV車の購入ができないエンドユーザーにも、ローンを組むことを実現したのです。
西ベンガル州の拠点の様子は?
こちらの写真は、South Lace Sector 5にある我々の本社です。エコパークに研究開発センターがあり、Durgaエリアには工場があります。
50名のスタッフとビジネスを始め、今では150名以上に拡大しました。改めて、会社の成長を後押ししてくださった西ベンガル州に感謝申し上げます。
今後のビジネスプランは?
はじめに申し上げたとおり、我々はこの地でエコシステムの構築を目指しています。
EV車は市場の中心に位置するべきです。我々の会社から販売されたほとんどのEV車には、IoTが既に組み込まれています。2~3年以内に、全ての乗り物をIoTと紐付けることを目指しています。
また、これまで1,000台以上のEV車の財政支援を行ってきました。今後、支援台数を2~3倍に伸ばしていきたいと考えています。
そして共有プラットフォームの開発。既にタイアップしているいくつかの企業とサービスの提供をし、ラストマイルのためにより良い関係を構築しています。
さらに、バッテリー技術について。日本の高いバッテリー技術を誇るGSユアサから、バッテリー製造経験のあるスタッフを採用しています。研究開発は、この技術者をおき、コルカタで行っています。
最後に、インフラ構築。
乗り物を走らせるためには、充電する場所が必要になります。EV車、財政、IoTそしてバッテリー技術が揃いました。
ここで、我々がタイアップした、バッテリースワッピングステーション企業「Sun Mobility(サン・モビリティ)」を紹介させてください。
彼らと基本契約書を締結しました。西ベンガル州に初めの充電インフラ設備を導入します。この地からインド全土への拡大を目指していきます。彼らは、北インドと南インドにおけるバッテリースワッピングの技術と経験があります。
それらを我々のビジネスに複合し、より良いインフラ整備をここから始めていきたいと考えています。
西ベンガル州にはどのようなポテンシャルがあるか?
皆さんが仰っているとおり、西ベンガル州は高いポテンシャルを持ち合わせた市場です。
まず、西ベンガル州は独立州であり、製造業に必要な水や労働力といった、潤沢なリソースが既に整っていることです。
次に、地理的な優位性です。アッサムやビハールといった他の地に比べて、西ベンガル州は東インドの中心に位置し、主要な東インドのエリアへのアクセスが良いです。
そして、人口です。西ベンガル近郊の州を含む東インドには、インド国内の約30%の人口が住んでいます。GDPも約5,000億ドルへ成長を続ける大規模地域です。
エコシステム構築には州政府との連携強化が必須。具体的にどんなサポートが必要か?
この機会に、私は西ベンガル州政府との長期的な関係構築の依頼をしたいと思います。
まず、州政府には、EVインフラのデザインをしていただきたいです。エコシステムの構築が達成できたら、EVの運用だけではなく、財政支援事業やインフラ管理における金利の削減に取り掛かりたいと考えています。
次に、車両登録のサポートです。残念ながら、いくつかの地域ではまだEV車の登録はありません。Eリキシャは低所得層と社会を繋げることができます。これらが実現すれば、我々はさらなる財政支援と車両増大を西ベンガル州に生み、スマートシティに成長させることができます。
三つ目は、エンドユーザー向け補助金の提供です。デリーでは、Eリキシャ購入の際、およそ30,000Rsの補助金を受け取ることができます。この三点が整った時、エンドユーザーは今以上に我々の商品を手にすることができると考えます。
最後に、製造ユニットの設立です。Batra氏が仰ったように、かつてビジネスであったEVは、産業になり始めています。
バッテリーや組み立ての工程が必要になってきたということです。一連の工程がここ、西ベンガル州で大規模産業になるべきであると考えます。
これら四点が、我々から州政府へのリクエストです。
我々がインドに拠点を起き始めてからずっと、西ベンガル州は我々の全てでした。ですから、西ベンガル州には特別な感情を持っています。この地にコミットしたいと思うのは、この特別な感情からです。
より良い社会を実現するため、政府関係者だけでなく、民間の方とも出会えることを楽しみにしています。
ご静聴ありがとうございました。
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