2021年4月2日、インドの製造業専門誌「Manufacturing Today」にテラモーターズCEO上田が業界を代表し、EV業界の動向についてコメントいたしました。掲載記事を日本語要約して一部ご紹介いたします。
以下、記事本文を一部要約
EV市場の拡大は年々加速しているインドにおいて、多くの州政府がEVの採用を加速している。これにより、2輪、3輪、4輪、などのすべてのカテゴリでEVが受け入れられる道がより開かれている。
EVが広く採用される主なきっかけは、州政府による様々な支援、一般市民の環境問題に対する意識の高まりがある。EVの巨大な市場の可能性により、多くの国内企業は研究開発とEV製造能力を拡大するようになった。デザイン性、性能、およびその他の革新的要素が、消費者の間に前向きな認識を生み出すことに貢献している。最近の報告によると、2022年までに、インドのほとんどの消費者は電気自動車の購入を検討するとしている。
複数のEVメーカーCEOの話に、各社EV市場に対しての思いを聞いた。
Okinawa CEO Jeetender Sharma氏:
インドのEV市場における市場機会はとても大きく、どのメーカーもICエンジンからEVへの切り替え、より良い未来への投資と言う変換期において、意味のある役割を果たすことが出来るだろう。つまり、EVスタートアップであることは強い競争力があると言う事だ。更に大手メーカーは新たなBS6(*)規制への対応に追われており、EVを軸とした大規模な転換は出来ないだろう。
(*)BS6:2020年4月より導入された排ガス規制(PM値とNOx排出量の厳格化)
テラモーターズ社CEO 上田氏:
EVに関して、スタートアップ企業は革新的な方向性を考える必要がある。それはインド国内でのEV製造に当たって既存の部品表を即席で作成するための革新であったり、バッテリーの課題や、製品への投資対効果の解決策を見つける事である。エネルギー消費表示アプリや、充電施設探知、将来充電施設が出来そうな場所の発見などの技術革新がEVバリューチェーンにとてつもないサポートをすることが出来る。単純にEV車を製造するだけのビジネスは難しくなっており、いかに革新するかが重要な鍵である。
EV車が既存の燃料車の代替品になると言う確固たる確信がインド国民に出来あがれば、EVメーカーには巨大な市場が待ち受けることになる。EV車には快適な乗り心地、ランニングコストの低さ等、燃料車と比較して様々なメリットがある。
スタートアップ企業の技術革新が大きな市場機会になると見る一方で、TNR社創始者Trilok Nath Mittal氏は、大手メーカーを市場機会の壁として見る意見もある。
TNR社創始者 Trilok Nath Mittal 氏:
例えスタートアップが革新的な技術を打ち出しても、大手メーカには勝てないだろうと予測している。もし特定の機会が作られて大手メーカーがスタートアップを投資先としてみたり、技術提供等の機会となればEV市場の成長はあるだろうが、単純にスタートアップ企業対大手メーカーとの競争となれば成長は見込めないだろう。
EeVe India社 CEO Harsh Vardhan Didwania 氏:
EVは社会の自動車ニーズに対する認識の変化を確実にもたらすだろう。IoT技術を採用し、インターネットを通してアプリベースのユーザーサポートを活用する事で、更なる利便性を加える事が出来る。
EVに切り替えるメリットは前途したように。ランニングコストの安さがとても大きい。EV車の充電コストは1キロ約1ルピー(約1.5円)であるのに対し、ガソリンは9ルピー(約13円)、ディーゼルは6ルピー(約8.9円)である。もしインドが2030年までにEV車へ移行する事ができれば、1ギガトンもの二酸化炭素を削減出来る事になり、パリ協定での公約達成に近づくことが出来る。
インドEV市場は多くのローカルスタートアップ企業の出現が市場競争を激しくさせている。大手メーカーが新モデルを投入しても、新しいスタートアップ企業達が市場のリードをしているのは間違いない。投資家からの資金調達や迅速な技術の発達による未開都市への製品投入などがスタートアップ企業の存在を押し上げ、インドでのEV市場に大きな波をもたらしている。
Manufacturing Today 全文はこちら:Disruptive technologies: EVs – Making waves
テラモーターズ株式会社
テラモーターズは、「新産業を創造し、社会をより便利にする」ことをビジョンに掲げ、持続可能なe-モビリティのリーディングカンパニーを目指す、日本発のグローバルベンチャーです。EV車(電動二輪・三輪)の開発・製造・販売・アフターサービスまでの全行程を行い、「Eリキシャ」と呼ばれる電動三輪車のインドでのシェアナンバーワン獲得。東京本社に加え、アジア3カ国に事業展開し、世界の低所得者層への就業機会創出、生活の向上と豊かな社会の実現に向け貢献してまいります。
会社概要
社 名:テラモーターズ株式会社
所在地:〒100-0011 東京都千代田区内幸町1丁目3番1号 幸ビルディング 9F 713号室
設立日:2010年 4月
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