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この度、Terra Motors株式会社(以下、テラモーターズ)は、インドデリー州展示会場Pragati Maidanで8月6日から8日までの3日間開催された「11th Electric Vehicle Expo 2021(以下EVexpo2021)」に出展しました。
展示会は、インド政府道路交通・高速道路省、Micro Small and Medium Enterprises (MSME)、International Centre for Automotive Technology (ICAT)による支援のもと、EVの包括的な市場情報、ビジネスチャンス創出、ネットワーク構築のためのプラットフォーム、国内外の100社以上の企業が提供する最新のEV2輪・3輪・4輪、部品やアクセサリー、充電ソリューションなどの技術をもつ企業が出展し、3日間で1万人を超える来場者によって賑わいを見せました。
また、展示会前日には、EV業界を牽引する主要企業や業界知識人や団体、コンサルタントによる「Electric Vehicle and its opportunities, challenges and solutions(以下、EV業界における機会と課題・解決策)」カンファレンスが実施されました。まずは、その内容からご報告します。
「EV業界における機会と課題・解決策」カンファレンス
本カンファレンスでは、EV市場への投資の機会と、長期的視点におけるEVシフトの社会的意義について議論されました。EVには、生産レベルやお客様の使用方法などで直面する多くの課題がありますが、よりクリーンで環境に優しいインドを実現するために、これらすべての問題に対する解決策を見出す必要性についても語られました。
オープニングセッションでは、インドのEV産業を牽引するリーダーの一人として、当社CEOの上田晃裕がスピーチを行いました。
CEO上田晃裕スピーチ要約
「私は、未来のより良い社会を実現するためには、EVが絶対的に必要なモビリティであると考えています。しかし、これらのミッションを自社単独で行うことは容易ではありません。だからこそ、この機会にさまざまな資産を持つステークホルダーに出会い、共に未来を作る「共創」を目指します。」
その他の登壇者、左から
Anuj Sharma氏(E-rickshaw Committee MORTH, Chairman)
Sh. Sanjay Ganjoo氏(General-IFGE, Chairman Bhavsar Foundation, Director)
Sh. Dinesh Tyagi氏(国際自動車技術センター所長)
Capt. V.V. Ratnaparkhi氏(Association of State Road Transport Undertakings, Executive Director)
上田 晃弘氏(Terra Motoros, CEO)
Sh. Rajeev Arora氏(アルティウス・テクノロジーズ, 創業者取締役)
カンファレンスのハイライト
カンファレンスでは主に、インドEV3輪がEVシフトに成功していることが讃えられると同時に、EV産業の抱える以下のような課題について再定義がされました。
コスト面
EVの車体コストは、ガソリン自動車と比較して高いことが課題です。電気自動車の運命を左右するのは、やはり価格であり、そのためには現地化が非常に重要です。Micelio社の創業者兼ディレクターのShibulal氏は「インドのように価格に敏感な市場では、インフラの整備と同様に購入コストも気になるところです。そこで、インドでの調達・製造(ローカライゼーション)が大きな役割を果たします」と話しました。
このコストの60%を占めるのがバッテリーです。これまで、バッテリーのコストは1KWあたり15,000ルピーでしたが、現在、政府からの補助金により、バッテリーのコストは15,000/W以下になっています。また、インドの人々にとってEVはさまざまな意味で経済的に効率的であることを伝えていく必要があります。
航続距離の最適化
航続距離を伸ばすことは可能ですが、そのためには巨大なバッテリーが必要となり、その分コストも高くなります。航続距離が500〜600kmから900〜1,000kmの圧縮天然ガス(CNG)車もあります。電気自動車メーカーの中には、航続距離を350〜400kmにしようとしているところもありますが、使用する人のライフスタイルによっては100〜150kmでも十分だという意見もあります。
充電インフラの不足
現在、EV以外の自動車は、燃料を補給すれば100km以上の距離を走ることができます。燃料は100kmごとに手に入るようインフラが整備されています。電気自動車(非燃料車)があると、充電インフラが課題です。
インド政府は電気自動車産業をサポートするために、1,000の充電ステーションを設置することをかかげています。さらに、2輪車用にも5万台の充電器を設置します。
バッテリーの耐久年数
現在、EVバッテリーの寿命は長くありません。電気自動車を長く走らせるための、リチイムイオン電池の技術的発展が必須です。
ユーザの購買意欲
人々が新しい技術を使用したe-モビリティを購入することをためらい、その機能や性能に懐疑的であることです。ですから、複数の企業が新製品を展示会で発表することは、あらゆる形のEVを一般の人々に届けるため認知を広めることでもあります。
EVは、環境にやさしいだけでなく、派生する可能性やよい効果が大きく、雇用機会の創出にも繋がることを、認知させていくことがEV産業を拡大させていくために必要です。
EVexpo2021展示会レポート
ここからは、展示会当日の様子をテラモーターズおよび他社ブースの一部をご紹介いたします。
展示会では、技術的に進歩したEV2輪、3輪、4輪や、リチウムイオン電池を使用したバッテリーや充電ソリューションなどが多く発表されました。また、EV2輪、3輪のブースでは、移動式の屋台や電動のゴミ収集車などが展示されるなど、商用車としての用途への広がりを見せています。
Terra Motors
テラモーターズでは、「Eco friendly」「Sustainable」をテーマとしたブースデザインにし、インドで持続可能な社会を創造していくことをメインメッセージとして来場者へ発信いたしました。また、低所得者層向け金融サービスであるTerra Financeのお披露目会としての特別ブースを設置、ディーラー向けの説明会および契約会、現地提携企業各社代表者との公開対談インタビューも実施しました。
■Expo 2021 ダイジェストムービー
動画URL:https://youtu.be/CoMkHUHWJQs
■マイクロファイナンス事業「Terra Finance」提携先コメント
1. Terra Finance共同設立:Vedika Credit Capital Ltd CEO Gautam Jain氏
Gautam Jain氏コメント
「Vedika グループは、過去よりインド国内にて20年以上の金融事業の経験がありますが、資金調達コストが非常に高く、顧客にも非常に重い負担となってきました。今回のテラモーターズとの提携を通じ、低金利である日本の資金活用等を通じ、上記問題の解決に取り組んで行きたいと考えております。
また、過去3年の協業経験より、テラモーターズの経営陣とは良好な関係を築けており、私たちの掲げるビジョンとミッションは、テラモーターズの目指す方向性と一致すると考えました。インドの貧困層の人たちは、不平等により非常大変な生活を強いられています。今回の提携を通じて、金融サポートだけではなく、雇用創出にも取り組み、インド全体の公平で持続的な社会構築を行って参ります。」
2. Prest Loanとの提携: 創業者 & CEO Ashok Mittal氏
Ashok Mittal氏コメント要約
「Prest loanは、e-Mobilityにおけるローンにおいては、車体や製品品質が非常に重要だと考えております。テラモーターズは、インド国内で評価の高いブランドの一つとして認められており、特に製品は市場でも評価が高く、顧客価値も高い点が決め手となり、今回の提携を決めました。彼らと共に、顧客にとって一番頼りになるパートナーになりたいと思っています。テラモーターズと弊社は、インド市場に対して抱いている大きなビジョンや国内EV市場をサポートし成長を目指す点において、大きなシナジーが見込まれると考えております。」
3. Pooja Finelease Limitedとの提携:Director of Pooja Finance Tanesh Gagnani氏
Ashok Mittal氏コメント要約
「Pooja Fineleaseは、EV市場でのファイナンス領域においてナンバーワンになるという目標を掲げてきました。それらの目標に向かって順調に事業は拡大してきています。一方で、課題として、地場メーカーによるEV車の品質問題など、金融業者だけでは対処できない問題にも直面していました。年収の半分以上を車体購入に投資する顧客にとって、低品質は大きな問題でありましたが、テラモーターズの高い品質及び、アフターサービスが、これら課題を解決し、顧客によりよいサービスを提供できると確信しました。将来的に、これまでにない便利なe-Mobilityを新しい仕組みやアイディアを提供するとともに、お客様の手元に届けることができれば、社会問題を根底から解決する価値の高い事業になると考えており、それらのビジョンを持つテラモーターズと共に実現にむかって進んでいいきたいと考えます。」
4.Revfin services 社との提携: Head of EV Partnerships Aashish S Pareek氏
Aashish S Pareek氏要約
「弊社は、かねてより成長市場であるEVセグメントにおける協業パートナーを模索しておりました。そんな中、インド政府EV化の目標を実現するための事業ビジョンを持ち、EV市場におけるブランド力が高いテラモーターズを知りました。私たちの目標は、EVセグメントにおいて、主要な金融機関となり、できるだけ多くの顧客に車両購入の手助けをしていく事です。今回、テラモーターズとの提携では主要市場であるビハール州において、EVセグメントで少なくとも15~20%のシェアを獲得することを目標としており、貧困問題の解決に積極的に取り組んで参ります。」
各ブースと取り扱い製品
E リキシャ
E オート
広告型E リキシャ
2 輪スクーター・バイク
金融サービス事業「Terra Finance」
充電ステーション:E-fill Electric
自社 IoT プラットフォームを経由して、顧客のルートに沿った充電スタンドの設置、据付・試運転サービスを提供する会社です。E-vehicle、Fleet の利用率向上、充電サイクルの最適化、バッテリー寿命の向上、EVパートナーやオペレーターのパフォーマンスの追跡を可能にします。
取り扱い製品
EV2輪:Ray Motoss
Ray Motossでは、個人使用を目的とした家庭向けEV2輪を販売しています。彼らは高品質の製品を革新し、最も手頃な価格で最高のアフターサービスを提供することで、お客様の生活の質を向上させるだけでなく、公害のない環境を実現することをミッションとしています。
取り扱い製品
EV2輪:EVTRIC Pvt.Ltd.
EVTRIC Pvt.Ltd.は、自動車業界で20年以上の実績を持ち、製造工場をプネに保有します。製品であるEVTRIC Axisは、若いユーザー向けに設計した製品を販売しています。これ以外にも、家族向けに特別に設計されたEVTRIC riderがあり座席のスペースが広い点が特徴的です。
取り扱い製品
ソーラーパネル:Sundak Solar Solutions Pvt.Ltd.
SUNDAK SOLAR SOLUTIONは、ISO 9001およびISO 14001の認証を受けたグリーンテクノロジーをインドの消費者に手頃な価格で提供する先駆者です。グリーンテクノロジーは、環境にやさしく、効率的に作動し、コスト効率に優れていると市場より評価をされています。
SUNDAKは、体系的に計画され、最新の建設基準に基づいて建設された、最先端の自社生産施設を保有し、工場には組立ラインが設置されており、統合された社内部品製造施設と研究開発センターがこれらを支えています。
取り扱い製品
ソーラーライトからソーラーコンポーネント、ACライトなど、
丈夫で長持ちするソーラー製品やシステム
すぐに使える統合型の既製品
標準的なソーラーライトやACライトは、ソーラーランタン
ソーラーチャージコントローラー
ソーラーファン&クーラー
ソーラースーパーコンバーター
ソーラーインバーター
ソーラーMPPTチャージャーなどの強力なソーラー製品など
EVexpoを終えて
テラモーターズ役員へのインタビューで、COOの中川は「EVexpoに出展したことでテラモーターズは、北インドにおいてもEV業界をリードする日本企業としてのプレゼンスを向上させることができたことを体感した。同時に、1年と半年かけて本展示会の準備をしてきたことで、ビジョンの共有とチームの結束力の高まりも感じた。」と話します。
CTOの高橋からは「来訪者からは多くの質問をいただき、新たな共創パートナーとの出会いがあり、目的を達成することができた」とありました。
展示会では、約200店舗を超える新規ディーラーがブースを訪問し、新規エリアにおけるコンタクトを獲得しました。来訪者、メディア、ソーシャルメディアを通じて、テラモーターズのEV業界におけるプレゼンスの高さ、ビジョンが多くの方へ届いた効果として、ウェブサイト経由の問い合わせが、開催後と比較し7倍に増加いたしました。また、新規大手金融企業1社とのタイアップがほぼ決まっています。
テラモーターズは、今後もエコフレンドリーで持続可能性のあるEV事業および金融サービス事業活動を通し、EV業界およびアジアの健全な発展に貢献して参ります。
以上